レポート#058 サウスウエスト航空の採用 『適材を発掘する』 |
アメリカのサウスウエスト航空は、良質で低価格なサービスを提供する
航空会社として、成長を続けています。
その採用試験はユニークで、人材を採用するためにさまざまな工夫
を重ねていることでも有名で、わたしたちのレポートでもオーディション
スタイルの選考試験を過去にとりあげました。→ #レポート7
その採用スタイルは個性的ですが、なぜその採用試験をしていくのか、
その背景にフォーカスしてみます。
同社は、「適材を採用する」とことに強いこだわりを持っています。
『資質を採用し、能力を育てる』
仕事については、教えることができますが、一人ひとりの持っている
資質はなかなか変えることができない。
だから、自分たちが一緒に働きたい仲間を迎えいれるときには、お互い
を知る中で、適材であるかをしっかりと見なければいけない。
1978年に会長になったケレハー氏は、「空の旅は思いっきり楽しまけ
れば」というのが口グセで、飛行機の旅をより快適にするには、他社とは
違う、楽しさや面白さが必要だと。同時に、お客さまへの気配り、目配り、
心配りがしっかりできている。そんな、お客さまサービスが肝になるんだ
と周囲に話していました。
同社の求める人物は、「ユーモアセンスがあり、いつも相手の立場にた
てる人、組織の中で協調できる人」
だから、採用試験でも、なるべく多角的に、応募者の人となりがわかる
ような工夫をしています。
あるグループ面接選考で、「最近、仕事中にユーモアセンスを発揮した
場面を話してください」と質問し、どんな状況でユーモアを発揮して、周り
のひとを楽しませるのかという事実を確認をします。
その一方で、質問を受けている人以外の、周りの応募者がどんな様子で、
そのやりとりを聞いて、見ているのかもチェックします。
そして少なくとも、他の応募者が話をしているときに、自分の順番に向け
て準備をしているような人には残念ながら厳しい評価をつけます。理由は、
チームメイトを応援しようという思いやりや姿勢がみえないから。
ユニークな採用をする裏側には、「どんな人を新しい仲間として迎えたいの
か」そのためには「どういう採用試験にすべきか」ということが、細かく考えら
れた選考ですね。