レポート#16 ベアーズの採用 『5分間話してください』 |
ベアーズ社は、「ガンバル女性を応援したい」という想いを持って1999年に創業した、
家事代行、ハウスクリーニング、ベビー&キッズシッターのリーディングカンパニーだ。
最近では様々なメディアに取り上げられる機会も多く、注目の企業だ。
実は、我が家も含めて、共働きの家庭の困りごとは、家事、掃除、洗濯など、週末には
別のやらなければならない事が山積みなことだ。共働きの家庭が増えている中で、その
困りごとを解消してくれるとすれば、時代のニーズに応えるサービスだと言える。
そんなことを考えながら、HPのハウスクリーニングのサービス一覧を見ていると、思わず
お願いしたくなるような内容が数多く載っていた。
このビジネスのすごいところは、サービスの品質が『ヒト』にあることだ。
実際に各ご家庭に訪問して、その家の中で仕事をする。
当然仕事として請け負う部分は、きっちりと決めるものの、
各家庭の事情に合わせながら、お客様の期待値を上回らなければならない。
技術スキルだけでなく、対応するスタッフの接客マナーなど多くの点で、
このサービスを頼んでよかったと思っていただけるかがポイントだ。
だから「適材を採用する」点において、かなり力を入れている。
そして、ベアーズ社の面接はユニークである。
役員面接の中で、いきなり
「5分間話してください」
と問われる。
いきなり不意を突く質問をされて、応募者の多くは戸惑ってしまう。
何を話そう?
そんな状況の中、どのように対応するかで、その応募者の臨機応変さが
見えるかもしれない。
慌ててしまい真っ白になってしまうのか、その状況で何を話すかを
考え落ち着いて話し始めるのか。
また話し方、トーン、身振りからは、どのようなコミュニケーションを取るタイプかを見ること
ができる。一方的に話すのか、相手の様子、関心度を見ながら話すのか。
話す内容から、相手が何を求めてこの質問をしたのかを推察しながら話す応募者であれば、
「相手に対する思いやり度」を知ることができるかもしれない。
会社研究をしっかりしてきて、自分がベアーズ社に入社したいという想いがあれば、そこを
語る応募者がいるかもしれない。「なぜ御社か・・・」ここをしっかり語れるヒトは実は少なか
たったりする。
「5分間話してください。」
5分間でいろんなことが見えてくる。
具体的に問わないことで、多くのことを問うている深い質問だ。