レポート#10 ヌフカフェの採用 『ファンづくり』 |
裏通り、雑居ビルの上階といった立地の悪さをものともせず、
1999年10月、新しいカフェがオープンした。
neuf cafe(ヌフカフェ)だ。
ビルの8Fまでエレベータであがり、そこから階段で9Fへ。
古いビルの中にあり、探さないと見つからないような場所にある。
オーナーの武田康伸さんは、リビングにいるかのように、くつろげる場所をテーマに、
「ヌフカフェ」をはじめ、中目黒「ユイット」、宮益坂「キャトルカフェ」・・・など
東京・京都にカフェを10店舗展開している。
古びたイス、落ち着いた色合いの机、インテリアなど、好きなモノでそろえたり、
店内の内装工事はできるだけ自分たちでしたり、メニューはシェフが自分で作って
楽しい作りたい料理をだすなど、働く社員の個性を大事にしているそうだ。
先日、偶然一冊の本に出会って、このカフェの存在を知った。
「ヌフカフェはなぜ潰れないのか?」 武田康伸著
この本の中には、人材採用についても多く語られている。
今日は、オーナー武田さんの採用スタンスを紹介しようと思う。
武田さんは、一緒に働きたい仲間について、こう語っている。
「僕はスタッフには、店で働くことを単純な労働であると思って欲しくない。
店に愛着を持って、誰よりも自分の店のファンであって欲しい。
それが仕事ぶりに間違いなく反映され、お客さんにも伝わっていくはずである。」
「僕が欲しかったのは、僕のお店をよく知っている人。
スタッフの友人だったり、普通のお客さんでもいい。
募集の告知は何らかの機会に知り、
『この店だから働きたい』
『この店が大好き』
という自発的な想いを持ってくれる、いわば店のファンと一緒に働きたい。
スタッフ自身が自分の店ファンであることが大事なのだ。」
ファンだから、誇りをもって働ける。
ファンだから、楽しく働ける。
FAN=FUN
そんなお店には、また新たなファンがきっとできる。
こんな『幸せなファンの連鎖』、単純だけどもとっても大切な方程式である。