ダイレクトリクルーティングの実践例 IMJさんの採用活動「IMJ UNDER BAR」 |
2014.01.06 Monday
新年あけましておめでとうございます。コヨーテ菊池でございます。今年もコヨーテと当ブログをどうぞ宜しくお願い致します。
さて、新年1つ目の記事ですが、昨年から綴っております「ダイレクトリクルーティング」の実践例について書いてみたいと思います。
※ダイレクトリクルーティングに関する過去の記事
取り上げたいのは、企画段階でご一緒した株式会社アイ・エム・ジェイさん(以下IMJと表記)。IMJさんは、WEBサイト構築における国内最大手企業として有名ですが、現在はデジタルマーケティングカンパニーとして、サイト構築のみならず幅広いサービスを手がけて成長している企業です。
採用に関しては、専門的な技術や知識を要する仕事が多いため、キャリア(中途)を中心に行っており、ここ2年間は新卒採用をストップしていました。
そんな折に急遽再開することになった新卒採用。しかし、このWEB業界は各社の採用活動が積極的です。2年間のブランクがあったことや、すでにインターン等で学生を囲い込んでいる同業も多いことを考えると、かなり分が悪いスタートでした。
2012年11月に入社し、2014年の新卒採用を任された着任間もない担当の宇野さんは、自分たちが欲しい人材を求人媒体で待っているだけでは獲得は難しいと考え、求人媒体に頼らない採用活動を決めていました。そして、すぐに大学や専門学校の訪問や学生団体との接触に力を入れ始めたのです。
そして、次に考えたのは、一度会った学生さんたちに会社に足を運んでもらい、更にIMJに興味を持ってもらうための仕掛けです。
他の企業がやっていなくてIMJという会社の雰囲気が伝わるもの。そして、IMJは扱っているコンテンツが公にできないものも多いのですが、直接会って詳しく話しをすると興味をもってくれる学生が多いのも特徴でした。なので、何とかして直接対話できる場を作りたかった。
こうした点を考慮して出来上がったコンセプトが、業界研究ができるBARです。社内のcafeスペースを開催時間だけ業界研究のための就活BARとしてオープンし、「IMJ UNDER BAR」という店舗名を付けました。
こちらが、IMJ UNDER BARの特設サイト。ここにイベントの告知を随時掲載していきました。
BARにしたのはいくつか理由があります。
1つ目は、日中は学生が様々なセミナーや選考で時間がとられてしまうため夜に開催することで、隙間時間を狙おうということ。
2つ目に、説明会や懇親会よりももっと砕けたBARにすることで、ふらっと立ち寄りやすい雰囲気を演出できること。これは、学生のみならず、現場の社員さんに協力してもらうためにも役立ちました。
3つ目は、お酒が入ることと会議室やセミナールームと違って堅苦しくないため、
社員も学生も本音で話ができ、普段聞けないような裏話や事例、学生の考えなど知ることができミスマッチが少なくなると思ったこと。
最後は、話題形成です。社員・学生(20歳以上に限る)ともお酒が入っているので、説明会という雰囲気は一切なく、参加している学生はもちろん社員も楽しむことができる。そしてその様子が、facebookや参加した学生のクチコミなどを通じて周囲に伝播しやすいと思ったからです。
IMJ UNDER BAR 当日の様子です。こうした現場社員と学生の交流を、数回実施しました。参加した学生さんが、遅くまで社員さんと語り合っている姿が印象的でした。また、こうしたイベントですと、友達や後輩を連れて参加しやすいようで、複数名での参加が多かったです。とりわけ学生団体などは縦の繋がりが強いため、次年度採用へのよいアドバンテージもできたのではと思います。
採用担当の宇野さんと、現場の社員さんの協力により、結果として見事目標とした5名の採用を達成。それどころか思った以上に優秀な学生集まったことから、途中10名の採用目標へ変更。それも見事にクリアされたのです。求人媒体(正確には自社のHPにも一切新卒採用の情報は掲載していなかったようです)を利用せずに、2年ぶりの新卒採用を成功させたことはすばらしかったと思います。
まとめ
「ダイレクトリクルーティングは、社内のリソースを上手く活用することが成功の鍵」
今回のIMJさんの事例は、ダイレクトリクルーティングを目的にした採用活動ではもちろんありません。結果として、求人媒体に頼っていては欲しい人材は獲得できないと判断され、採用担当の宇野さんが自らの足を使って学生との接触を多く図ってきたことが重要な点です。そして、この「BAR」という「場」(シャレになっていますね)を用意することは、その接触をさらに強固なものにして、IMJへのロイヤリティを高める仕掛けになったのだと思います。
使ったリソースは、社内の休憩スペースと現場の社員さん、そして何よりも周りを巻き込んでいた採用担当の情熱です。
採用に苦しむ企業さんも、気づいていない社内のリソースがたくさんあるはずです。求人媒体だけに頼らなくてもよい採用活動はできるのだというひとつの参考例になれば幸いです。(K)