レポート#13 SBIホールディングス(北尾社長)の採用 『徳性』 |
2009.11.25 Wednesday
SBIホールディングスの北尾社長といえば
野村証券の次期社長と言われる中、ソフトバンクの孫社長に見初められ
実務面でグループを急成長させてきた人物である。
彼の採用に関する話は興味深い。
以前お仕事でご一緒した際に、北尾社長に聞いてみた。
「採用時に一番重視する点は何ですか?」と。
すると、北尾社長は「徳があるかだね。」と答えた。
「どんなに自己PRがうまくて、どんな優れたビジネスプランをもっていても、
その人材に『徳』がなければビジネスは成立しない。
今の能力は、これからの努力でどうにでもなる。
しかし、『徳』とは今まで歩んできた人生の集積のようなもの。
そんな『徳性』を見ている。」
辞書で調べると『徳』とは
中国の哲学、特に儒教の中で重要が概念であり
『人間の道徳的卓越性を表し、具体的には仁・義・礼・智・信の五徳や
孝・悌・忠の実践として表される。』とある。
ちょっとわかりずらいので、もう少し現代風に解釈すると
「安心していられる、精神的に頼れる、その人の命令なら無理なく聞ける、
といった感情を呼び起こすもの」と言ってもよいのではないだろうか。
SBIグループは、金融業界にインターネットというツールを持ち込み
様々な革新をもたらし、ビジネスの幅をどんどん広げている。
『徳』というユニークな判断軸が、その驚異的な成長を下支えしている。