コラム #098 ヨークベニマルの創業精神 |
2011.04.09 Saturday
今回の東日本大震災では多くの店舗が損傷し、さらに従業員、ご家族に亡くなられたり、行方不明になられた方がいるなど、大きな影響を受けました。
そのヨークベニマルが、震災直後に、どのようにしてお店を再開して、地域のお客様に対してサービスを行ったかについてふれてみたいと思います。
震災当初、通信手段が途絶えていたのですが、それぞれの店長が営業可能と判断した店は、本社の指示を待たずに開店していたのです。従業員の家族が応援にまわるお店もあったそうです。さらに閉店後の従業員は他のお店の支援にまわるなど、サポートの輪が自然と広がっていきました。
店長のひとりは、「今、お客様のためにできることは何か、店ごとに責任を持って考える。これは社長がいつも言っていること」と語っていました。
数日前に顧客は誰か、という板倉さん(板倉雄一郎事務所)のブログを目にすることがありました。
「あなたの顧客は誰ですか」 → コチラ
自社の顧客が誰か。そこを突き詰めて日ごろから行動していたからこそ、本社の指示で動くではなく、店長の判断で、お店を再開できたのだと思います。
大高社長は、
「過去の常識ならば全店を閉めるしかない。だが、千年に一度の災害でもお客様の生活を守るため、不可能を可能にしなければならない。」と営業再開に向けて、激をとばしたそうです。
さらに、
「災害時だから値段を上げてはいけない」
「給与計算が無理ながら、出勤計画をもとに給与を支払う」
「必ず夜明けはくる、創業精神で乗り切ろう」
と力強い言葉をかけたそうです。
と力強い言葉をかけたそうです。
最後にその創業精神についてふれます。
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「創業精神」
創業者 大高善雄は、「一人のお客さまは10軒20軒の代表である。野越え山越えはるばるお店においで下さるお客さまに誠実の限りを尽くせ。 お客さまへの奉仕の精神が商売繁盛につながり、儲けというのは奉仕の結果であって商売の目的そのものではない。商売はお客さまのためにある。」 との創業精神を掲げ、ヨークベニマルの基礎を築きました。この「野越え山越え」の創業精神の基となったのが“ヨークベニマル12章”です。
創業者 大高善雄は、「一人のお客さまは10軒20軒の代表である。野越え山越えはるばるお店においで下さるお客さまに誠実の限りを尽くせ。 お客さまへの奉仕の精神が商売繁盛につながり、儲けというのは奉仕の結果であって商売の目的そのものではない。商売はお客さまのためにある。」 との創業精神を掲げ、ヨークベニマルの基礎を築きました。この「野越え山越え」の創業精神の基となったのが“ヨークベニマル12章”です。
ヨークベニマル 12章
第一章 商売はお客さまのためにある。まず、お客さまの利益を考えよ。
第二章 一人のお客さまに誠実を尽せ。これが野越え山越えの精神である。
第三章 給料はお客さまから頂くもの、前のお客さまがあなたの主人。
第四章 喰べ終った時が販売の完了。まずかったらいつでも返金せよ。
第五章 自由に気軽に選びよく、品揃えと、衛生管理を怠るな。
第六章 経費を節約。安値を打ち出せ。これが最大のサービスなり。
第七章 おいしいことが絶対の条件。品質と鮮度がお店の生命である。
第八章 オトリ商法ではお客さまは釣れない。全商品が平均して安いこと。
第九章 広告にウソやハッタリは禁物。お客さまは一度はだませても、二度はだませない。
第十章 新製品を開発せよ。これが家庭の文化をつくる。
第十一章 お客さまの声は神の声、何でも聞いて改めよう。
第十二章 言葉や態度が店相をつくる。あなたはお店の代表である。
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最後の、言葉や態度が店相をつくる。あなたはお店の代表である。まさにそのとおりです。その意識が一人ひとりにどこまで浸透しているか、その度合いで組織の強さを感じました。
今回の危機的な状況だからこそ、会社・組織のリーダーシップ力が問われていると思います。(T)