コラム #075 霧が晴れた場所へ(スターブランド社村尾さんのブログより)』 |
「小さな会社のブランド戦略」という書籍をご存じでしょうか?
スターブランド社のフロントマン村尾隆介さんが
小さな会社のブランド戦略の重要性をわかりやすく書いています。
我々もこの書籍を通じて、村尾さんのセミナーなどに顔を出すようになり
今や「ブランド師匠」と仰ぎながら、日々勉強させていただいています。
村尾さんのセミナー、文章、トーク、すべてにおいて、誰もが納得できる
わかりやすさと、うーんと唸ってしまう深さ、クスッと笑ってしまうジョークがあり
とにかく人を引き付けるのです。
そんな村尾さんの過去のブログで、我々の活動テーマである
学生の就職に関するエントリーがありました。
非常に素晴らしい文章ですので、割愛させずにそのまま掲載させていただきます。
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RYUmurao 〜 霧が晴れた場所へ 〜
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大学生がイタリアンの一流シェフに成長していく過程を描いた
漫画「バンビーノ」は、序盤、休学届けを出しにキャンパスを訪れた
バンビーノ(主人公)が、学友から半ばケンカ腰で、
「お前は、やりたいことがあってええのぉ」と、胸ぐらをつかまれ、
食って掛かられるシーンがあります。
そのケンカを吹っかけた学友は就職活動中だったのですが、
それを口走ったときの気持ちは、どんなものだったのか?
自分への焦り。
やりたいことが明確な奴への嫉妬。
ふがいない自分への怒り。
きっと、いろんなものが入り乱れていたことでしょう。
その気持ちは、痛いほど分かります。
就職活動は、学生にとっての最大のイベントのひとつ。
比較的、学生と触れ合う機会が多い僕ですが、
特に近年は、勉強や遊びよりも、「就職への心配」が
ズバ抜けて学生の頭の中を占めている気がします。
これだけ不安なニュースの中育った世代。
バブルを経験した世代とは、同じ日本人とは思えないくらい、
いろんな意味で違います。
でも、一見、早く内定を得た学生の方が、まだ就職が決まってない学生より、
“今は”安心しているように見えますが、それは一瞬だけのこと。
社会人になって3年も過ぎれば、また迷いや壁を経験し、
「自分って何だろう?」の時期に突入。
ほぼ同世代の全員が、再びふりだしに戻ります。
40代、50代の人だって、そんな感じです。
そんな感じが、ずっとループしています。
自分探しの旅は、はじめと終わりがあるわけではなく、
生きている以上、ずっとツアー中なのです。
年間数千人の人と講演活動を通じて出逢う僕が言うのだから、これは正確な統計です。
「自分は何のために生まれ、何を成し遂げようとしている人なのか?」を
明確に言える人は、200人に一人です。
「だから安心してくださいね」、という話ではありません。
見つけなきゃいけないのです、その何かを。
もしくは今やっていることこそ「それだ!」と、
自己暗示しなくてはいけないのです。
なぜなら、「先行きが見えない」という不安ほど、人に不安を与えるものはありません。
正直、最近の殺傷事件の数々も、全部紐解けば「先行きへの不安」が起因しています。
僕の仕事は、人の「好きと得意」を見つけ出し、
市場性と掛け合わせて、しあわせな起業家への道へ導き、
最初の角まで一緒に歩いてあげることです。
そのためにブランドをつくります。
そして、同時に自分ブランドもつくります。
僕は、この仕事を、小さな平和維持活動だと思っています。
なぜなら、しあわせな起業家の道を歩ませるということは、
少なくともその人の不安を払拭したということにつながるからです
(また種類の違う不安がやってきますが(笑))。
僕らは、この国に生まれ、この国の言葉を自由に喋ることができます。
日本は世界で一番起業しやすい国、成功しやすい国のトップランカーです。
すべての条件は揃っています。
なのに全く動きもせず、ただただ不安がっているのは、僕から見れば、
日が暮れはじめているのに、その場に立ち尽くしている子供のように
見えてなりません。
霧が晴れるのを待つのではなく、
霧が晴れている方向に歩むことが大切です。
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来年卒業予定の学生就職率は57%。統計以来最悪の数字とマスコミで連日騒いでいます。
ぜひ、このエントリーは就職活動を控えている多くの学生に読んでもらいたいです。
「不安だ、大変だ」と思っているだけでなく、とにかく足を一歩前に出す勇気と
簡単に「やりたいことみつからない」と、辞めずに前に歩み続けてほしいです。
そして、この国のためにも、我々はこの課題に使命感をもって取り組んで
いく必要があると思っています。
その解決のヒントは、国内だけではなく海外にあるかもしれません。
「世界で一番楽しく働いている国、ニッポン。」そんな国をつくるため
我々はまさに「霧が晴れている方向に導く」存在でありたいと思います。(K)