レポート#053 シコー株式会社の採用 『原則を打ち破る独創性』 |
2010.11.21 Sunday
神奈川県大和市に「世界のモーター王」と言われる人物がいるのをご存じでしょうか?
その人物は、白木学さん。
独創的に「思考」した商品を提供する会社「シコー株式会社」の経営者です。
世界最小の超小型振動モーターを開発し、インテルやモトローラなどの世界企業から、独創性あふれる高い技術を評価されている日本が誇る小さな優良企業です。
この白木社長、とてもユニークな方で、テレビや書籍で語られる経営哲学や人生観などは大変勉強になります。
白木社長の言葉をいくつか紹介しますと・・・
「私は世の中に、なかったモノを作っているだけです。それは誰もやらないんです。
なぜなら危険が、リスクがあるから。逆に、うちはやりましょう、と。
困難があるところに利益があるんです。本当に困ったら、そのときは、しめた!と思うんです。」
「注文を受ければ、誰でも技術があれば作れるんです。
注文が無い時に作る、他の人がやらない
ことをやるから、シコーの存在感があるんじゃないですか。
大企業は、見通しの立っているモノしか、手を出せない。需要が予想されるモノしか、作れない。
うちは違う、ファンモーターも、小さなファンモーターを作ってくれと、言われて作ったわけ
じゃないんです。私たちは、将来、小さなファンモーターが必要になるだろう、と思っていた。
そして私自身も、小さなファンモーターが欲しかった。だから、作った。
自分が欲しいモノを作るんです。自分が欲しいということは、必ず社会にも必要になる。
初めは売れなくても、いずれ時代の流れと合致するんですよ。
だから、僕は特別な技術者である以上に、感覚的には一般人でいなければいけないと思っています。」
など、小さな会社にとっての経営のヒントが沢山あります。
大企業に勝つ、という視点でも彼はこんな事を言っています。
「大手企業に勝つためには、”あまり売れないモノ”を作ることだよ。
そこそこしか売れないモノを作れば絶対に潰れない。
一方、”売れるモノ”を作ると潰れる可能性がいっぱいある。
売れると他の企業がマネをして、どんどん価格も下がってしまう。」
と、とても興味深い発言が多いのです。
そんなシコーは毎年数名の新卒学生を採用しています。
採用試験では、必ず白木社長が出て面接をするようです。
そこでの質問がとてもユニークなのです。
「パチンコ玉とボウリングのボールを同じ高さの上から落としたら、どちらが早く下に着くか?」
もちろん、物理の原則にいえば同じ時間で落ちるのですが、
「パチンコ玉の方が遅くなったと設定してみてください。その理由はなんだと思いますか?」
と聞いてみるのだそうです。
受検者からは「ハトがパチンコ玉を咥えていった」などを独創的な答えが返ってくるのを
期待しているのだそうです。
実は、この問い、シコーの大切にしている仕事に対する姿勢が反映されています。
それは、シコーのホーム―ページ、白木社長の挨拶から読み取ることができます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
シコー株式会社は、モーターの小型化という課題に挑戦し、独創的な発想を基に
「可能性がない」という分野に挑戦してきました。小型化を進めていく過程で、それまでの
技術や原理が一切通用しなくなってしまいました。
そこから先は、前例が全くないから、独創的な発見がない限り、壁を突き破ることは
できません。
逆に、何か新しい原理や法則を発見すれば、世界で唯一の製品を生み出すことが
できるのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
前例や原則を打ち破るのは、独創的な発見。
これに興味とやる気をもち、挑める人材かどうかを判断しているのだそうです。
かつて、このブログでは、発明王エジソンの採用試験を取り上げました。
彼は「ひらめき」を重視した採用を行っていましたが、白木社長は、こんなことを言っています。
「”アイデア”というのは、”愛である”だと思うんです。
アイデアを出す人は、愛がある人だと思っています。
人を愛して、品物を愛して・・・。
そんな人間愛のあふれている人は、いいアイデアが出てくると思っています。
使う人の立場になって考えてみる。
その時に人間に対する愛情がなかったら、いいモノを作ろうとは思いませんよね。
その情熱がモノを作るんだと思います。
だからね、”アイデア”というのは、”愛である”なんですよ。」
日本の小さな会社のエジソンは、とても魅力的です。
その人物は、白木学さん。
独創的に「思考」した商品を提供する会社「シコー株式会社」の経営者です。
世界最小の超小型振動モーターを開発し、インテルやモトローラなどの世界企業から、独創性あふれる高い技術を評価されている日本が誇る小さな優良企業です。
この白木社長、とてもユニークな方で、テレビや書籍で語られる経営哲学や人生観などは大変勉強になります。
白木社長の言葉をいくつか紹介しますと・・・
「私は世の中に、なかったモノを作っているだけです。それは誰もやらないんです。
なぜなら危険が、リスクがあるから。逆に、うちはやりましょう、と。
困難があるところに利益があるんです。本当に困ったら、そのときは、しめた!と思うんです。」
「注文を受ければ、誰でも技術があれば作れるんです。
注文が無い時に作る、他の人がやらない
ことをやるから、シコーの存在感があるんじゃないですか。
大企業は、見通しの立っているモノしか、手を出せない。需要が予想されるモノしか、作れない。
うちは違う、ファンモーターも、小さなファンモーターを作ってくれと、言われて作ったわけ
じゃないんです。私たちは、将来、小さなファンモーターが必要になるだろう、と思っていた。
そして私自身も、小さなファンモーターが欲しかった。だから、作った。
自分が欲しいモノを作るんです。自分が欲しいということは、必ず社会にも必要になる。
初めは売れなくても、いずれ時代の流れと合致するんですよ。
だから、僕は特別な技術者である以上に、感覚的には一般人でいなければいけないと思っています。」
など、小さな会社にとっての経営のヒントが沢山あります。
大企業に勝つ、という視点でも彼はこんな事を言っています。
「大手企業に勝つためには、”あまり売れないモノ”を作ることだよ。
そこそこしか売れないモノを作れば絶対に潰れない。
一方、”売れるモノ”を作ると潰れる可能性がいっぱいある。
売れると他の企業がマネをして、どんどん価格も下がってしまう。」
と、とても興味深い発言が多いのです。
そんなシコーは毎年数名の新卒学生を採用しています。
採用試験では、必ず白木社長が出て面接をするようです。
そこでの質問がとてもユニークなのです。
「パチンコ玉とボウリングのボールを同じ高さの上から落としたら、どちらが早く下に着くか?」
もちろん、物理の原則にいえば同じ時間で落ちるのですが、
「パチンコ玉の方が遅くなったと設定してみてください。その理由はなんだと思いますか?」
と聞いてみるのだそうです。
受検者からは「ハトがパチンコ玉を咥えていった」などを独創的な答えが返ってくるのを
期待しているのだそうです。
実は、この問い、シコーの大切にしている仕事に対する姿勢が反映されています。
それは、シコーのホーム―ページ、白木社長の挨拶から読み取ることができます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
シコー株式会社は、モーターの小型化という課題に挑戦し、独創的な発想を基に
「可能性がない」という分野に挑戦してきました。小型化を進めていく過程で、それまでの
技術や原理が一切通用しなくなってしまいました。
そこから先は、前例が全くないから、独創的な発見がない限り、壁を突き破ることは
できません。
逆に、何か新しい原理や法則を発見すれば、世界で唯一の製品を生み出すことが
できるのです。
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前例や原則を打ち破るのは、独創的な発見。
これに興味とやる気をもち、挑める人材かどうかを判断しているのだそうです。
かつて、このブログでは、発明王エジソンの採用試験を取り上げました。
彼は「ひらめき」を重視した採用を行っていましたが、白木社長は、こんなことを言っています。
「”アイデア”というのは、”愛である”だと思うんです。
アイデアを出す人は、愛がある人だと思っています。
人を愛して、品物を愛して・・・。
そんな人間愛のあふれている人は、いいアイデアが出てくると思っています。
使う人の立場になって考えてみる。
その時に人間に対する愛情がなかったら、いいモノを作ろうとは思いませんよね。
その情熱がモノを作るんだと思います。
だからね、”アイデア”というのは、”愛である”なんですよ。」
日本の小さな会社のエジソンは、とても魅力的です。