レポート#045 OpenAの採用 『チャンスをつかむ力』 |
株式会社オープン・エー/Open A Ltdは、2003年に馬場正尊さんが立ち上げた
建築設計、管理や都市計画作り、さらに東京R不動産というメディアを持っているユニ
ークな事務所だ。
馬場さんは本も何作か出しているが、中でもPOST−OFFICE(ワークスペース改造
計画)は、働く場所について自由に綴られている面白い本だ。企業でオフィス環境作り
に携わっている人にファンが多い。
設計事務所や建築事務所で人を採用する場合、オープンデスクといって、インターン
シップなようなところからスタートするケースが多い。建築家を志す学生が、建築事務
所で実務を学ぶ機会を得るのだ。
多くは、CADや模型制作に携わるのだが、その間は無給であるケースが多い。そこで
経験を積んでアルバイト、正社員として採用されているくのだ。
今日は、OpenA代表の馬場さんの採用に対するこだわりをみてみよう。→コチラ
まず基本的にいいヤツであること。
そして一人の人間として、一緒に仕事をしたいと思える人か。
話をして進めていく中で、「場面、場面で臨機応変に対応できるか」「周囲のひとから
気持ちよく仕事を頼まれる人か」「お客さまとの対応をしっかりできる人か」そういった
雰囲気を感じとることができるかが、最初のポイントだ。
次にその人の持っている実力を見る。
基本的に自立した一人ひとりが持っている力を出し切る。
その上で、メンバーお互いが補い合うような組織を目指している。
ベースとなる基礎力を持っているのかを知る。
そして仕事の厳しさを伝える。
会社の持つあたたかい雰囲気とは対照的に、仕事内容は厳しい。
納期にあわせて徹夜で模型を作らなければならないこともあるし、自分が作った企画
が通らないことも多々ある。頑張っても報われない場合もあり、その厳しさをしっかりと
伝えるのだ。
たとえ、やりきれない場面に遭遇したとしても、それを受け入れてやり切る人でないと勤
まらない。あらかじめ挫折も視野に入れながら動けるか、そんなマインドがあるかを見る。
最後に大切なのが、採用試験のタイミングをつかみ取る力。
募集するタイミングで、応募できるかどうかだ。
小さな会社は常に人材を募集しているわけではない。そのプロジェクトや案件など
会社の成長フェーズにあわせて、採用募集活動を行う。だからその告知を知るため
に、行きたいと思う会社に日常的にコンタクトをとり、情報収集しているか、そのアン
テナの高さを保ち続けてるかが大事なのだ。
多くのステップをクリアすると、新しい仲間として迎えられる。
小さなチームだからこそ、一人ひとりの役割が大きい。
だからこそ、「人が集まり、定着率が高い会社」の採用試験では、厳しい環境で戦え
る力やチャンスをつかみ取る力など多面的に見ていくのだ。