レポート#041 マイクロソフトの採用 『パズル面接』 |
マイクロソフトは、1975年にビル・ゲイツとポール・アレンによって設立された
世界最大のコンピュータ・ソフトウェア会社である。
そんなソフト産業の巨人には、毎月1万2000通の履歴書が届く。
社員が5万人ほどであり、離職率も業界平均の1/3にとどまっていることを考えると
その競争倍率たるや、驚異的なものだ。
選考では、有望とされた人に対して詳しい電話聞き取り調査がなされ、
さらに選別された人が本社で1日がかりの面接を受ける。
マイクロソフトは「才能ある労働力こそ資産」だといい、知能重視型の採用試験を行なっている。
では、どのようにしてその知能を見極めているのか?
たとえば、面接中、ふいにこんな問いが出させる。
『マンホールのふたが丸いのはなぜか?』
また、次にはこんな質問が。。。
『富士山をどう動かしますか?』
こうしたマイクロソフト流のユニークな人材採用試験の方法は「パズル面接」といわれている。
これらのパズルには正しい答えがあるものも、無いものもある。
面接は、応募者1人に3人以上の社内の優秀な人材が順次担当し、
即時に電子メールで評価を次の担当者へ連絡する。
こういった特定の専門分野に限らない一般的な「問題解決能力」を測る試験は、
マイクロソフトを筆頭に他の技術系企業、
ウォール街の採用面接において今やお決まりのものとなっている。
では、なぜ「パズル面接」をおこなうのか ?
このようなパズル面接では
「間違った不採用はあっても、組織にとって致命的となる間違った採用はない」
とされている。
競争力が問われる業界の会社は、
「(1)頭は良くても何もできない人、(2)何かはするが頭は良くない人、を避けよ」と考えている。
(1)の人は、博士号を持っていても実務能力がないので、誰にもいうことを聞いてもらえない。
(2)の人は、何かはするがばかげたことをして、他の人が後で尻拭いをしなければならない。
これらの人を避け、「頭が良くて、しかも何かをする人」を選ぶのは難しい作業だ。
論理パズル面接が役立つのは、パズルを解く力(=論理と想像力によって問題を解く力)を
調べるのに、他の試験よりは優れているからだ。
「論理パズル」は技術革新を要する会社ならどこでも直面する問題を、コンパクトに示している。