レポート#35 プラザクリエイトの採用 『サービスマインド』 |
2010.04.23 Friday
プラザクリエイトは、DPE(写真の現像・焼き付けサービ
ス)の最大手で、主なブランドとして、パレットプラザ、55
ステーションを有しており、全国で約1100店舗展開して
いる。
ただ現在の業界を取り巻く環境は厳しい。DPEチェーン
の店舗数はピークの3万店から、実質7000〜8000店
にまで減少していると言われている。フィルムの現像・焼
き付けは1997年のピーク時の15分の1以下に減って
いる。
そのような環境下、プラザクリエイト社が積極的に採用に転じていることが業界の話題
になっている。
プラザクリエイトは店舗に勤務する正社員の採用枠を拡大し、3月中に新卒の大学生
50名を採用する計画をたて、さらに2010年度中に入社する正社員を150人追加で
採用する。その多くは、店舗運営に店長などの幹部として携わってもらいたいと考えて
いるのだ。
同社の全社員数は460名(連結)なので、その採用人数の多さに目を引く。
この大採用計画の背景には何があるのだろうか。
市場が急速に縮小していく中、常に新しいサービスの開発・展開をしていかなければ生き
残れない。現在、同社では欧米で市場が急速に伸びているフォトブックなどのサービスラ
インナップを店頭で強化して販売している。さらに携帯電話の高機能化に合うサービスを
考えていくなど、今までにない商品カテゴリーを作り、事業展開していくスピードを加速する
予定だ。
そこを見据えて、「接客レベルの高い、優秀な人材を獲得する」ことに舵をきった。
定着率の高い正社員を店舗に配置し、接客水準の向上を狙っているのだ。
そんな同社を牽引している、大島康広社長が、採用面接で聞く質問がある。
『最近、何か親孝行している?』
こう聞かれて、一瞬戸惑うかもしれない。
実は大島社長は、「写真プリントをお届けすると共に、一枚の写真から広がる楽しさ
をお届けしたい。幸せな時間は写真の中で永遠になる。」という想いを持っている。
幸せなメディアである写真を扱っているサービスだからこそ、
身近な人への『心くばり度』を質問からはかっているのだ。